インスタレーション/メディアアート/インターネットアート
鎧、LEDマトリクス、ルータ、コンピュータ
W300×H400×D350mm
2021
「傷つきやすい人間ほど、複雑な鎧帷子を身につけるものだ。そして往々にして、この鎧帷子が自分の肌を傷つけてしまう。」-三島由紀夫
古い鎧兜の顔面に取り付けられたLEDマトリックスが、1日前のニュースの見出しをギリギリ読み取れるか否かの速度で流し続ける。現在、私たちはさまざまなメディアから発信される大量の情報を迅速に取り入れている。しかし、その情報の多さや速さにより、深い理解や意味の追求を怠り、表面的な情報にとらわれがちである。
このような情報過多が引き起こす弊害として「FOMO(Fear Of Missing Out)」や「情報過多シンドローム」などが新たに誕生してきているが、本作品は、現代社会における情報過多がもたらす表面的な情報取得とその影響を探るインスタレーション作品である。情報による保身や自己防衛が、結果自身を傷つける行為につながっていることを示唆している。